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【要求プロセスのススメ】(その4)

2012年6月25




4.システム要求フェーズ

4.1 システム要求フェーズの目的とアクティビティ。

 

このフェーズの目的

 -ステークホルダー要求から実現するべきシステム要求を導出する

  ⇒ステークホルダー要求に対する“回答”を導く

 -個々のステークホルダー要求が持つ暗黙知を可視化する

 -システム化の対象範囲について合意を得る

 

具体的なアクティビティは下図を参照ください。



       ソフトウェアプロセスエンジニアリング(株)資料より



 

ステークホルダー要求とシステム要求の関係です。

「ステークホルダー要求」:要求の出しての表現から、

「システム要求」:要求の受け手の表現に変換します。

ですから、

ステークホルダー要求 「○○したい」という表現を

システム要求として、「○○できる」、「○○しなければならない」、「○○すること」という表現に変換します。

言い換えると、

システム要求は、特定のステークホルダーの要求を満たすシステムの特性を記述します。

技術的な解決策(設計仕様)を記述するものではありません。

 

 

4.2 機能要求の導出(アクティビティ)

このアクティビティの目的とタスクは下図の通りです。



         ソフトウェアプロセスエンジニアリング(株)資料より



 

タスク:「機能要求の識別」

機能要求を識別するためには2つのアプローチを用います。

 -上位のステークホルダー要求からの識別(トップダウンア)

 -業務フローからのからの識別(ボトムアップ)

具体的な作業は以下の通りです。

 -ステークホルダー要求から機能要求に変換する

  ⇒ステークホルダー要求を満たすサービスを考案する

 -各業務プロセスに要求を対応付ける

  ⇒業務フロー図を使って業務の変更箇所を確認する

 




        ソフトウェアプロセスエンジニアリング(株)資料より



つづいて、機能要求を分析するタスクです。

 

タスク:「機能要求の分析」での作業です。

 -要求属性の追加

  暗黙的な情報を付加し、ステークホルダー要求の可視性を高めます

   ・「簡易シナリオ」

   ・「ステークホルダー」

   ・「他システム」

 -トレーサビリティの設定

  他の成果物にシステマチックに追跡できいる情報を付加する

   ・「ステークホルダー要求」と「システム要求」

   ・「業務(フロー)」と「システム要求」

 

そして、業務フロー図を更新します。

 

同様の作業を「非機能要求」においても実施します。

 

次回は、「要求の検証」「要求の妥当性確認」「ベースラインの策定」です。

少しお待ちください。