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【ビジネスアナリシス方法論とその経営的効果】(その2)

2012年1月23



 

. 階層的なビジネスプロセスモデリング

このビジネスアナリシス方法論の特徴は階層的にビジネスプロセスを分解していくことです。




図のように機能分解などにより、ビジネスプロセスの階層を段階的に詳細化していく方法です。

この方法は以前、「ビジネスアナリシス標準のすすめ」で紹介しましたので、そちらも参照ください。

 

下図はレベル2プロセスに要求を構造化している例です。

レベル1の業務システム改革要求をレベル2の業務プロセス改革への要求に構造化して設計しています。さらにレベル3プロセスに分解します。




ETO品の拡販」という事業戦略からレベル1の経営機能において「ETO品の販売業務プロセスの確立」という業務システム改革要求を定義しています。

さらに、レベル2の「ETO品の受注業務(仕様決定、原価見積、納期決定)の標準化」という業務プロセス改革要求に構造化しています。

 

しかし、トップダウンアプローチのみだと、ヌケやモレが出る恐れがあります。

下図は現状のレベル2プロセスを見える化したものです。




この現状プロセスを効率的に見える化できるのは、プロセス参照モデルがあるからです。

 

さらに、レベル2プロセスをレベル3プロセスに分解していきます。




この例では、「RFP/RFQの入手と回答プロセス」へのプロセス改革要求を3種類に分類してまとめます。

(ルールとプロセス)

 ・顧客要求確認ルールと処理の確立

 ・原価見積り基準と原価見積処理の確立

 ・売価設定ルールと決済処理の確立

(人)

 ・営業員は自社製品や技術への知識を保有

(情報とITシステム)

 ・顧客要求を共有・閲覧できる仕組みの構築

 

このように、単にITシステムに関する要求だけを出すのではなく、ルール、プロセス、人、などに関する要求を抽出しているのはまさに、BABOK(R)の幅広い要求に相当します。

 

レベル3の新業務プロセスフローの一部です。




販売活動プロセス、提案・受注プロセス、商品開発プロセス、製品設計プロセスに関するレベル3プロセス(ToBe)の例です。