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ビジネスアナリシス標準のススメ (その4)

2011年4月4



 

3.機能部門長から課題を聴く

ここでは主にインタビューやワークショップを活用して下記の項目を明確にしていきます。BABOK(R)の知識エリア「引き出し」に該当するアクティビティです。

 

最上位層は機能部門長へのインタビューです。

 

  -製造部長への質問: 製造リードタイムは

             その他、多数

  -営業部長への質問: 納期は正確か

             その他、多数

 

  -その他の部門長への質問は?

 

ここでは何を聴いたらよいのでしょうか。聴くことが整理されていなかったらどうなるでしょうか。要望を何でも聴いていたならどうなるでしょうか。

まず大変時間がかかりそうですね。モレやヌケが出る恐れがあります。脈絡のない要望が出ることも想定されます。回答者個人の関心のバラツキも当然あります。粒度の異なる(プロセスレベルの異なる)要求が混ざりこんでしまうでしょう。インタビューア(コンサルタントまたはビジネスアナリスト)の属人的スキルに依存せざるを得ません。その結果正しくない要求がまとまってしまう可能性すらあります。

この方法論(GUTSY-4)では、

 -WBS

  -業務課題のリスト

 -業務課題に関するインタビュー項目

などが用意されていますから、属人的スキルに依存しないで業務課題を明確にすることができます。短時間で効率のよいインタビューが可能になります。

これも「穴埋め形式」で業務課題(レベル2プロセス)を抽出することができていくわけです。

 

業務課題のリスト(課題の候補)の一部です。

営業プロセス上の業務課題リストの例。

 マーケティング

 -市場調査

 -顧客のセグメント化

 -顧客へのコンタクト

 新規開拓

 -顧客との関係づくり

 -顧客への販売活動

 -引き合い管理

 受注・納入

-見積り提出

-受注、納入、請求、回収

 顧客維持

-クレーム対応アフターサービス

-顧客維持活動

などです。

 

インタビューの結果をまとめると解決するべき業務課題が見えてきます。


    営業プロセス上の業務課題の抽出

業務要求/業務課題 原因/仮説  悪影響  
マーケティング 市場調査 * * *
顧客のセグメント化 * * *
顧客へのコンタクト * * *
新規開拓 顧客との関係作り * * *
顧客への販売活動 * * *
引き合い管理 * * *
受注・納入 * * * *

                    M&ERPi資料に清水が加筆


営業系業務課題のみならず、工場系業務課題、生販系業務課題、管理系業務課題も抽出します。

 

これらの機能別の業務課題と、先週解説した戦略的課題を集約(マージ)して、業務改革モデル(ビジネス要求)を作成します。

 



              M&ERPi渡辺氏資料より

 

方法論を活用するとシステマチックに短時間で、業務改革モデルが導かれることがお分かりになると思います。

 

次回はレベル3プロセスへの要求です。