2010年11月14日
BA(ビジネスアナリシス)COE(センターオブエクセレンス)
のススメ (その3)
ビジネスケースが承認されれば、いよいよBACOEがスタートできます。
北米の組織で良く使われているやり方をご紹介します。日本ではまだ実証できていませんが、参考になると思います。要はBACOEもソリューションの一つだと考えてビジネスアナリシスを適用することだと思ってください。
以下のように4段階のアプローチが良いとされています。
フェーズ1 :ビジョンを作成しコンセプトを定義する
フェーズ2 :組織の知識、スキル、成熟度、ビジネスアナリシスの活用度合い
を診断する
フェーズ3 :BACOEの実行計画を作成する
フェーズ4 :実行チームを結成し、センターのインフラを開発しBACOEを実施する

【ビジョン作成】
新しいセンターのビジョンを作成することは大切です。まず暫定的なビジョンとミッションステートメントを作成します。
ビジネスケースを作成するのに必要な詳細度でBACOE設立のコンセプトを作ります。主なステークホルダーに提案を精査してもらい、ビジネスアナリシス実践の診断とセンターの実施計画への承認を取り付けます。
主要なステークホルダーとのミーティングでは、賛同とコンセプトへの支持を確保します。大規模組織においては、通常、組織改革や風土改革、新技術、新たなパートナーシップの確立も必要です。変革をいかに管理するかにより、成功するのか失敗するのかが決まります。このビジョン作成のフェーズで良く使われるテクニックとして、ジョン・コッターの「企業変革力」が有名です。
- 経営者のスポンサーシップ:
経営者の指示なしにはBACOEの成功はあり得ない。
スポンサーとの信頼関係、協働関係を築き、重要な局面では
メンターリング、コーチングをしてもらう。
- 政治力の戦略(フォースフィールド分析):
ステークホルダー分析を行い、センターに影響を与える主要な
ステークホルダーを特定し、彼らがセンターに対して肯定的なのか
否定的なのかを見極める。
フォースフィールド分析を行い、肯定的勢力をつよめ否定的勢力を
減らせるように、問題を定義し、それを解決する実行計画を策定
する。
- 危機感を高める:
ステークホルダーグループと協議し、現状満足を減らし、危機感を
高めてもらう。
- 連帯チームを結成する:
BACOEを形成するのに必要なリーダーシップを供えたチーム、それは
信頼、スキル、人間関係、名声、公式権限を持った支持者による
チームを結成する。
- ビジョンを作成する:
結成したチームによる単純明確で必要不可欠なBACOEのビジョンを
作成し、そのビジョン達成のための戦略を設定する。
- 支持を得るためのコミュニケーション:
単純で直接的なコミュニケーション計画を実行し、多くのチャンネル
を通じて力のこもった確信的なメッセージを伝える。連帯チームを
通じてできる限り多くビジョンを促進する。
- アクションの権限移譲:
連帯チームにより変革の壁を取り除く。特に、権限委譲のない管理
スタイル、旧態依然の業務プロセス、不十分な情報など。
- 短期的成果:
情熱と勢いを想像する。短期的な成果を達成できる実行計画を作る。
- 依存性の管理:
センターの成功は組織の他の部署との協調関係に依存する。
コアチームのメンバーの一人を依存性の担当者(Owner)として
アサインし、依存する組織との橋渡し(Liaison)をしてもらう。
依存する組織のチームミーティングに参加することがベスト
プラクティス。そうすることにより関係の重要性のデモンスト
レーションにもなり、またBACOE活動への明確なフィードバックが
得られ改善策が可能になる。
長くなりました。
組織の準備、プランニング、BACOEスタート は次回までお待ちください。
  

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