2010年11月22日
BA(ビジネスアナリシス)COE(センターオブエクセレンス)
のススメ (その4)

フェーズ2 :組織の知識、スキル、成熟度、ビジネスアナリシスの活用度合い
を診断する
フェーズ3 :BACOEの実行計画を作成する
フェーズ4 :実行チームを結成し、センターのインフラを開発しBACOEを実施する
フェーズ2:【組織の準備】:
組織の知識、スキル、成熟度、ビジネスアナリシスの活用度合いを診断する
BABOKの「組織の準備状況をアセスメントする」タスクそのものです。
BACOEに対する組織的期待度、と変革への文化的準備状況を測定します。
小規模の診断チームを結成し、即座に取り組むべき主な挑戦、ギャップ、課題を決めます。理想的なアセスメントは組織的成熟度を診断することですが、公式的なものにこだわる必要はありません。
フェーズ3 :BACOEの実行計画を作成する
BACOEセンターの詳細を記述したビジネスプランと憲章を開発します。計画には以下の表の内容を参考にするのが良いでしょう。そしてBACOEキックオフワークショップを開催し、レビューし合意を得ます。
考慮するべき事項
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キックオフ ワークショップ アジェンダ の内容
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戦略、ビジョン、ミッション
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BACOEのビジネスケースを提示する
より詳細なセンターのコスト対効果を明確にする
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アセスメント結果
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次のアセスメント結果を発表する
・ビジネスアナリシスの成熟度
・スキル診断の結果
・BA専門家の育成に必要な教育(研修)計画とビジネスアナリシス実践の標準の改善計画
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スコープ
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BACOEの受け持つ責任範囲を明確にする
・BACOEセンターの受け持つ専門領域(BAだけか、PMとBAの両方を兼ねるのか)
・センターの実施するファンクション
・センターが標準化し、モニターし、改善するべきプロセス
・BACOEセンターの成功度合いを計測するメトリクス(KPI)
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権限
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COEは単なるアドバイサリーボードなのか、ビジネスプロセスの責任まで持つのかを明確にします。実際には、アドバイザリーボードの場合もあり得るし、意思決定まで行う場合もあります。
組織的にどこに位置付けられるかによって大きく異なります。
権限について記述する場合は、組織上の位置づけが必要です。どの組織に属するのか、それにより活動のガイダンスと承認されます。
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サービス
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COEは概ねリソースセンターとなります。ベストプラクティスや教訓(Lessons learned)の情報を集約し、プロジェクトにビジネスアナリシスのリソースをアサインします。以下の役割を提案します。
・供給する資料(例:参考文献、テンプレート、ジョブエイド、ツール、手順書、メソッド、実践)
・サービス:ビジネスケースの開発、ポートフォリオマネジメントチームの支援、コンサルティング、メンターリング、標準の開発、品質レビュー、ワークショップのファシリテーション、プロジェクトチームへのビジネスアナリシスリソースの供給
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組織
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BACOEチームの組織構造、管理、運用:
・ポジションと役割、責任、必要な知識・スキル
・報告関係(上位組織)
・他組織とのリンク
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予算と要員
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上位レベルでは、予算(設備、ツール、技術を含む)と計画に必要な要員を記述します
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実施のアプローチ
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センターの基盤となる要素と確立するための初期ワーキンググループ結成を記述します。さらに、センターの組織的関係と初期の対象(フォーカス)領域(部門フォーカス、エンタープライズフォーカス、戦略フォーカス)も記述します。
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フェーズ4 :実行チームを結成し、センターのインフラを開発しBACOEを実施する
ワークショップ終了後、BACOE憲章とビジネスプランを正式なものにし、センターの活動を開始します。ワーキンググループを結成し、ビジネスアナリシス実践の標準を開発し、教育・研修、メンターリング、コンサルティングサービスを提供し、そして必要な設備、ツール、備品を確保します。
参考文献は以下のとおりです。
Business Analysisi Center of
Excellence
The Journey to
Professional Excellence
For Modern Analyst Media
May 2009
Kathleen B. Haas
Katheleen(Kitty)HaasはK.Hass and AssociatesのPrinciple consultant で、
IIBAのDirector at Large and
Chapter Governance Committeeの座長(Chair)でもあります。
 

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