2010年11月3日
BA(ビジネスアナリシス)COE(センターオブエクセレンス)
のススメ (その2)
難しく考えずに、ビジネスアナリシスセンターオブエクセレンス(BACOE)もひとつのソリューションと思いましょう。そうすればビジネスアナリシスの対象となりえます。
【ビジネスニーズを定義する】
組織におけるビジネス問題として、
-プロジェクトコストの超過金額(具体的な金額)
-プロジェクト期間の超過時間(超過している%時間)
などを明確にしてみましょう。
ビジネス機会はどうでしょう
-新規ビジネスの開拓(他社とのコラボレーションによるビジネスイノベーションの可能性)
どれを採用するかは組織の状況で決めることです。
【BACOEに必要とされるビジネスアナリシス能力】
知識エリア「エンタープライズアナリシス」とは少しアプローチが異なりますが、
-成熟度
-組織の規模
-ビジネスの多様性
を考慮して、BACOEで必要とされるビジネスアナリシス能力を定義していきます。
成熟度
製品群の年数、市場の安定性
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組織の規模
従業員数や地理的拡大
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ビジネスの多様性
製品群の数、市場の特性
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伝統的な製品群や市場は限定的なビジネスアナリストでよい
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規模が大きければ大きいほど、より専門的なビジネスアナリストが必要
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複数製品群の場合、汎用的BAとスペシャリストBAの両方が必要
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競合の激しい市場、開拓中の市場では、経験豊富な戦略的かつドメイン専任のビジネスアナリストが必要
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中小規模の組織の場合、汎用もしくはハイブリッドなビジネスアナリスト
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ニッチ市場の場合、スペシャリストBAが必要
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ここでビジネスアナリストの適用範囲を次のように分類します。
スペシャリストBA:特定ビジネスドメインの専門的なビジネスアナリスト
汎用BA :複数ビジネスドメインを担当するビジネスアナリスト
戦略的BA :M&Aなども手掛けられる戦略的なBA
【ソリューションアプローチを決定する】
ここでは、BACOEの導入アプローチを考えます。
冒険を避けて、以下のような段階的な導入アプローチ(ある意味変化駆動型です)をお勧めします。
現状の組織の状況に応じて、どのフェーズからスタートするか決めます。
フェーズ1: 部門を対象としたBACOE
フェーズ2: 企業全体を対象としたBACOE
フェーズ3: 戦略まで対象を拡大したBACOE
【ソリューションスコープを定義する】
・センターがガイドする専門分野を定義します(BAだけなのか、BAとPMOの両方なのか)
・センターが有する機能を定義します
・センターが標準化し、管理し、改善するプロセスを定義します
・センターの成功の度合いを計測するメトリクス(KPI)を定義します
【ビジネスケースを定義する】
ビジネスニーズを基に、投資額を設定し、期待できる効果を見積ります。
投資効果を算出して、スポンサーに承認してもらいます。
  

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