3.評価基準の明確化
ここでは、以下の2点です。
・
達成度指標の位置づけを各レベルのエントリ基準として明確化
・
様式記述の変更、および実績回数の明記など、内容の充実
この2点の改善のおかげで、従来あいまいであった責任性、複雑性、サイズの関係が明確になると共に、かつエントリ基準と宣言されたため、レベル判定の客観性が格段に向上しました。具体的にご紹介します。

まず、達成度指標は【ビジネス貢献】と【プロフェッショナル貢献】の両方の指標を満たす必要があります。そして各レベルに記載されている定義はそのレベルのエントリ基準となります。
【ビジネス貢献】
上図のように、「責任性」「複雑性」「サイズ」の関係が明確になりました。
また、Ver.1では「大企業でなければ10億円以上のプロジェクトはありえないので、中小企業のエンジニアは高いレベルに認定できない」という事態を考慮し、「サイズ」があまり大きくなくても、「複雑性」が高いプロジェクトで実績があれば、高いレベルに認定できるように配慮されるようになりました。
プロジェクトマネジメントレベル7の例です。
●責任性
プロジェクトの提案、立上げ、計画策定、実行、監視コントロール、終結の全プロセスにおけるプロジェクト全体の責任者として、ステークホルダーをマネジメントし、プロジェクトメンバをリードして、計画された納入物やサービスの要求品質、コスト、納期を3回以上(内1回以上はレベル7、他はレベル6以上の複雑性、サイズ相当)成功裡に達成した経験と実績を有する。
具体的に成功裏に達成した経験と実績の回数が示されていますね。
●複雑性
以下の3項目以上の条件に該当するプロジェクトを成功裡に遂行した経験と実績を有する(「世界的にも先進的なプロジェクト」は必須)。
□国際的なプロジェクト(文化的、社会的並びに、国際的、政治的に厳しい環境)
□世界的にも先進的なプロジェクト
□複雑な移行要件
□複雑な契約条件(要求品質、コスト、納期の厳しい制約条件等)
□複雑なシステム構築要件(パフォーマンス、セキュリティ、稼動運用要件等)
□複雑なシステムデザイン(マルチプラットフォーム、高可用性、新規製品や技術、インタフェースの数及び条件)
□複雑なアプリケーション要件
□複雑なプロジェクト体制(顧客、サブコントラクト、オフショア、協業関係、関係部門)
複雑性も具体的に3項目以上と示されています。
●サイズ
以下のいずれかの規模に相当するプロジェクトを成功裡に実施した経験と実績を有する。
□管理する要員数がピーク時500人以上または年間契約金額10億円以上
□管理する要員数がピーク時50人以上500人未満または年間契約金額5億円以上10億円未満で、上記複雑性の条件の5項目以上に該当
サイズが10億円に満たなくても、複雑性が5項目満足されていればレベル7のエントリ基準を満たしていることになります。つまり、大企業でなくてもレベル7に認定できるということになります。

|