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2012年2月15日
前号まで取り上げたK製作所の成功事例では、ビジネス効果に対して驚くべきITコストの低さがあります。中小企業とはいえ、わずか年間10数万円のITコストでビジネス変革が実現できたことはまさに驚異以外の何物でもありません。
どうしてこのような低コストで業務改革が実現できたのでしょうか。それにはBABOK(ビジネスアナリシス知識体系)の本質を知る必要があります。
そこで、ビジネスアナリシス/BABOKの実践から得られる効果として、基幹業務のITコストの削減の可能性と、ビジネスモデルの変革について解説します。
タイトルは「基幹業務のITコストの削減とビジネスモデルの変革」です。し、
今週から4回程度の連載で、解説します。
【パートⅠ:基幹業務のプロセス改革】
1.ビジネスアナリシスによるITコストの削減
2.BA方法論がもたらすさらなるコストダウン
【パートⅡ:戦略的IT投資】
3.戦略的IT投資への貢献
4.ビジネスモデルの変革
【パートⅠ:基幹業務のプロセス改革】
1.ビジネスアナリシスによるITコストの削減
1.1 全体最適
K製作所の業務改革はまさに基幹業務の改革そのものです。大企業の場合、部門間の壁に挟まれて、全体最適が進みずらいのですが、中小企業のおかげで組織全体の見通しがよく、課題も明確でした。ここではBABOKのエンタープライズアナリシスのタスクが大きく貢献していることがわかりました。
大企業でも同じことが言えるはずです。規模の大きさはあるにしても、部門間の意思疎通をよくする必要があります。全社規模の課題を明確にすることが極めて重要です。
ここで重要なのは業務プロセスの階層レベルです。

渡辺和宣氏提供資料
そして、全社機能のなかで、レベル1ののビジネス要求(知識エリア「エンタープライズアナリシスのアウトプット」)を定義していました。
大企業の場合、基幹システムはまだ部門(いわばサイロ)の中で閉じているように思われます。たとえば同じ販売業務でも、標準品の販売と特注品の販売は別のプロセスとして扱っているケースを見受けます。さらに、大企業になればなるほど、同じ販売でも、製品群Aの販売プロセス、製品群Bの販売プロセスが異なり、それを実装するシステムも別々で、X社製、Y社製、Z社製で、三者三様。三つの事業本部がそれぞれ異なるシステムを保有している。収益性の高い事業ではIT予算も豊富ですが、収益の低い事業では昔ながらのレガシーを我慢して使用している。さらに、異なるシステムを補完する形で、ポータルにより、見かけ上のユーザーインターフェースだけは揃えているケースもあるかもしれません。
K製作所の例ではあまり目立っていませんが、ビジネスルールをプロセスと切り離しています。こうすることにより、ビジネスの外部環境の変化に柔軟に対応することができるようにしています。
大企業の旧態依然とした基幹システムは、ビジネスルールはビジネスプロセスに組み込まれていて、柔軟に対応することができない状態です。そのためビジネスの変化(競合環境)に対応しきれない状況を見受けます。
ビジネスルールをビジネスプロセスと分離できるとどうなるでしょうか。実はそのメリットは計り知れないくらい大きなものがあります。
まず、ルールのみダイナミックに変更できるので、ビジネス環境の変化にも追随できますから、ビジネスの競争力が向上します。
さらに、基幹システムを刷新する際には異なるシステムだと思っていたものも、ルールを別出しし、プロセスを共通化すればシステムの統合化が可能になります。すなわち、異なる事業部の販売プロセスが共通化でき、一つの販売システムが複数の事業に対応することができるようになります。
販売のみならず、調達、購買、受発注、納品など、多くの基幹業務に共通です。ですから、ITコスト半減も夢ではありません。


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