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2012年2月27日
1.2 BABOKのタスクによる効果
ビジネスの目的、目標に合致した要求をソリューションに取り入れます。BABOKのタスクでは
-要求の優先順位をつける
-要求を妥当性確認する
-要求のトレーサビリティをマネジメントする
この3つのタスクはスコープクリープを未然に防いでくれます。
「要求の優先順位をつける」タスクでは、要求がもたらすビジネス価値をもとに優先順位をつけることを推奨しています。ですから、ビジネス価値の低い要求はおのずから優先順位が下がります。それのみならず、「要求を妥当性確認する」タスクでは「ステークホルダーに価値を提供しない要求は取り除くべき要求の有力候補(ガイドP124)」と明記されています。最後の、「要求のトレーサビリティをマネジメントする」タスクでは、ステークホルダー要求とソリューション要求は全て、ビジネス要求(ビジネスケース)にトレースされなければいけません。トレースできない要求は自然と取り除かれます。
K製作所で採用されたビジネスアナリシス方法論では、図のようにビジネスプロセスを階層的に上位レベルから下位レベルに分解(構造化)していきます。

この過程では、上位のビジネス要求に整合しない要求は入り込む余地はありませんので、必然的に要求の妥当性は確保されます。同時に、すべての要求は上から下までトレースされることになりますから、「トレーサビリティをマネジメントする」タスクも実行されることになります。その結果、上位レベルの要求(トップはビジネス要求)にすべての階層の要求はトレースされます。この方法論に沿ってITへの要求(ソリューション要求)をまとめると、一般的な方法と比べて、コード量が40%程度減少することが実証されています。それは直接ITコストの削減につながります。まさにBABOKの思想を具現化しているといえます。
最近BPM(Business Process Management)が話題になっていますが、成果が出るのに時間がかかっているようです。上記ビジネスプロセスの階層でいえば、レベル4,5に相当するプロセスを改善することを試みているようです。考えてみれば、企業の中にレベル5のビジネスプロセスは数万もあると言われています。すべてのプロセスを改善することはできるでしょうか。それは不可能です。その中のどの部分を改善することが経営数字(ビジネス要求)に貢献するのを考える必要があります。そしてその部分を重点的に改善すれば経営数字に反映できますが、ボトムアップではなかなかわかりづらいところです。上位プロセスの課題(それがビジネス要求にほかありません)に貢献するレベル4、5プロセスは何でしょうか。それを見つけることが先決です。
「要求を割り当てる」タスクとその具体例
K製作所の例では、すべての要求をIT化しているわけではありません。
BABOKの「要求を割り当てる」タスクの目的は「ソリューションの価値を最大化すること」です。すべての要求をIT化するとコストが膨大になってしまいます。プロセスを改善すれば済むことも多いはずです。

上の図のように、「提案受注プロセス」と「商品開発プロセス」はIT化しますが、「製品設計プロセス」や「生産出荷プロセス」はあえてIT化しないで残っています。要求を割り当てで、IT以外のソリューションコンポーネント(プロセス改善など)で実現しているところです。
経営課題に最も貢献する部分を抽出し、要求をITシステムやプロセス改善などに割り当てていまするのです。
すなわち、要求を部分的にITに割り当て、ITコストを低く抑えることにより、ソリューションのビジネス価値(コストパフォーマンス)を最大にしていることがわかります。


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