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 タスク6.2: 要求を体系化する

20108月9

 

新ソリューションに対する要求のビューを明確にし、全ての立場のステークホルダーに理解できるものを作成します。

 

このタスクの2つの目標です。

 -ビジネスドメインとソリューションスコープにどのモデルが適切であるかを明確にする

 -モデルの相互関係と依存関係を明確にする

 

このタスクへのインプットです。

 -組織のプロセス資産

 -要求[表明された]3.3

 -ソリューションスコープ(5.4

このインプットでわかるように、タスク「5.4 ソリューションスコープを定義する」で定義された新しいソリューションのスコープ(ToBe)を多くのステークホルダーにわかる抽象度でモデリングします。

 

このタスクの重要な要素として次の2点があります。

1.  抽象化レベル

全てのステークホルダーが理解できるレベルの抽象度で新しいソリューションのスコープ(ToBeモデル)を記述します。

2.  モデルの選択

   モデリングは次の5つのコンセプトに関連させることが推奨されています。

Who(ステークホルダーを記述する)

   -What(現実世界のモノに対応します。例データモデリング)

   -When(イベント:イベント応答、状態遷移図、ユースケース)

   -Why(ルール:ビジネスルール、ユースケース)

   -How(プロセス:プロセスモデル、ユースケース、組織モデル)

   上記5つのコンセプトを全て記述して新ソリューションのスコープを明確にします。

 

スコープを1つのモデルで記述するのではなく、5つのコンセプト(WhoWhatWhenWhyHow)毎にスコープを明確にすることが、体系化の重要なポイントです。これにより、ハイレベルでの要求のモレをなくすことができ、つぎのステークホルダー要求の作成につながります。



使用するテクニックはおなじみのモデリングです。これらのモデリングを使用して、新しいソリューション(ToBe)のスコープをどのステークホルダーにでもわかるように記述します。

 -ビジネスルール分析

 -データフロー図

 -データモデリング

 -機能分解

 -組織モデリング

 -プロセスモデリング

 -シナリオとユースケース

 -スコープモデリング

 -ユーザーストーリ




 

データフロー図を用いて、ソリューションスコープを記述したものです。この程度の抽象度なら、どのステークホルダーにも理解してもらえます。上記はWhatWhoHowにフォーカスしたモデルです。それ以外WhenWhy(業務ルール)も作成しておくとよいでしょう。

大切なことは、ステークホルダー全員が共通のビューを持つことです。それに適した抽象度でモデルを選択し、スコープを記述します。