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「ITビジネス戦略」事始

3.   あなたの競争相手はだれでしょうか?

ここでは、セグメント毎の競合分析をします。


重要なのは、セグメントに焦点を当てることです。ある競合がそのセグメントに興味がなければ関係ありません。ひとつひとつのセグメントについて競合状況を分析しましょう。現在の競合だけではいけません、近未来に競合となりそうなところについても考慮します。自社の競争優位性を客観的に説明できなくてはいけません。

  5.の理想的なソリューションの後で再度振り返ります。


4.   目標セグメントを決めましょう

  目標セグメントを決めるために、以下のことを徹底的に調査します。

  −セグメント毎の市場規模と増加率

  −セグメント毎のマーケットシェアと利益率

 3年以内にセグメントで1位か2位になれるでしょうか。

 もしなれないなら、セグメントをさらに細分化し、成功できるレベルまで細分化します。

 

  ここで、なぜ1位か2位でなければいけないのでしょうか。これは特にニューテクノロジーの場合に

は顕著に必要です。研究開発投資を回収するためには、3位以下では難しいからです。 枯れた技

術の場合はあまりこだわらなくても良いかもしれません。マーケットフォロワ−という選択肢もないわ

けではありません。しかし堅実に利益を追求し、株主に還元するのであれば1位か2位(できれば1

位)が望ましいことはいうまでもありません。

 

  G.MooreCrossing the Chasmからの引用です。

「マーケティングで成功を収めるためには、池の中で最も大きな魚になること」ということで

ある。現実問題、もしも自分たちが小さい魚ならば、小さい池を探すべきである。さらに

その池が本物であるためには,その池のメンバーがひとつのグループを構成していなけ

ればならない。すなわち、メンバーどうしがたがいに情報を交換し合うようなマーケット・

セグメントを形成していなければならない、ということである。もしもそのようなセグメント

ができあがっていれば、あるメンバーが導入したシステムが、宣伝費用をかけずに口コミ

で、あっという間に他のメンバーに伝わるのである。ただし、現在ベンダーが支配している

池が、長期的にも十分な大きさを持つマーケットであるとは言い切れない。ベンダーは遅

かれ早かれ、池から池へと跳び移る必要に迫られるであろう。ここで、池を跳び移るこの戦

略は、「ボーリングレーン戦略」と考えられることができる。つまり、先頭のピンを倒せば、

それに続いて2番ピンーすなわち次のマーケット・セグメントーを倒すこともできるということ

だ。このようにして、次々と市場を拡大させていくのである。正しい角度で1番ピンを倒せば、

残りのピンも連鎖的に倒れるのだが、倒れていくそのスケールとそのスピードには目を見

張るものがある。要は、マーケットを拡大できないときでも、この連鎖反応をうまく利用すれ

ば、活路を見出せるのである。

 

なぜ、目標セグメントで1位にならなければいけないかがお分かりいただけたでしょうか。



[続く]


本稿へのご意見、質問を歓迎します。

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